
2026年3月18日、「カメラのいらないテレビ電話」を謳うスマホアプリ「POPOPO(ぽぽぽ)」がリリースされました。
庵野秀明氏、ひろゆき氏、川上量生、GACKT氏という豪華な取締役陣が話題を呼び、SNSでは早くも賛否両論が飛び交っています。
実際にリリース初日から使ってみた上で、このアプリが本当に流行るのかを考察してみます。
実際に使ってみた率直な感想
一言で表すなら「絵が出るClubhouse」という印象です。
発表会で強調されていた「映画のようなカメラワーク」は、実際には時々カットが切り替わる程度に過ぎません。アバター(ホロスーツ)の表情変化も、口や首がわずかに動く程度で、視覚的なインパクトは薄めでした。
結果として視聴者は「流し聴き」に落ち着きやすくなります。そうなると、アバターも映像演出も意味をなさなくなり、ただのラジオと変わりません。
「カメラのいらないテレビ電話」という売り文句は、裏を返せば「見る必要のないテレビ電話」でもあります。この矛盾がアプリ体験の根底に横たわっています。
もう一つ気になったのが、コンテンツの質の問題です。
芸能人や著名人が使うなら面白いかもしれませんが、その場合はアバターより顔出しの方が需要があります。一方で素人の雑談は、どれだけ映像を演出しても、素人の雑談のままという点は変わりません。
さらに気になったのがアバターの課金モデルです。

初期状態では使えるアバターが限られており、エヴァンゲリオンや東方Projectなどのコラボアバターはもちろん、見た目のカスタマイズも課金が前提となっています。
「顔を出さなくていい」という入口の手軽さとは裏腹に、「自分らしいアバターで話したい」と思った瞬間にお金がかかる構造です。無料のまま使い続けると標準アバターから変えられないため、体験の質がそこで頭打ちになりやすい点は注意が必要です。
Clubhouseの末路と重なる構造的問題

POPOPOの体験は、2021年に爆発的にブームとなり、その後急速に廃れたClubhouseと本質的に同じ課題を抱えています。
Clubhouseが証明したのは、「素人の雑談はプラットフォームがどれだけ工夫しても、継続的な需要を生み出しにくい」という厳しい現実でした。
Clubhouseが急落した直接の原因は、TwitterがSpacesを、InstagramがLiveを強化したことで、「音声SNS」という機能を大手に丸ごと吸収されたことでした。
POPOPOも同じリスクを抱えています。LINEやTikTokが本気でアバター通話機能を追加してきたとき、POPOPOに残る差別化要素はどれほどあるでしょうか。
IPコラボ(エヴァンゲリオン、東方Project、すとぷりなど)は初期ユーザー獲得の入口としては有効ですが、コラボ終了後にユーザーが定着するかは別問題です。
ソーシャルゲームの世界でIPコラボ後にガクッとユーザーが抜ける現象は見慣れた光景です。
コロナ禍なら流行っていたか? タイミングという残酷な問い
考察を深める上で避けられない問いがあります。「POPOPOがコロナ禍にリリースされていたら流行っていたか?」
答えはおそらく「yes」だと思います。
外出自粛で雑談需要が爆増し、Zoom疲れ・顔出し疲れが社会問題化していたあの時期、「顔を出さずにアバターで気軽に話せる」というコンセプトは完璧にニーズに刺さっていたはずです。
Clubhouseが2021年に爆発的に流行したのも、そのタイミングあってこそでした。
しかし2026年の今、人々はリアルで会うことの価値を再確認しています。オンラインコミュニケーションへの需要は、コロナ禍と比べると相対的に下がっているとも言えます。
POPOPOは機能として3年遅かった可能性があります。川上量生・ひろゆきほどの人物がなぜこのタイミングでリリースしたのか、外からは読み切れない部分です。
それでも生き残る可能性はあるか
悲観的な材料が多い中でも、可能性がゼロとは言えません。
ニコニコ動画は一般層への普及こそ果たせませんでしたが、コアなユーザーが熱狂的に使い続け、長年にわたって独自の文化を維持してきました。
POPOPOもニコニコ的な「濃いコミュニティの後継プラットフォーム」として生き残る道はあります。
鍵を握るのは、運営ではなくユーザーが自発的に面白いコンテンツを作り始めるかどうかです。
ニコニコが生き残ったのは、運営の力ではなくユーザーが文化を作ったからでした。川上・ひろゆきコンビはそれをよく知っているはずで、POPOPOでも同じことを期待しているのかもしれません。
結論:1億円キャンペーンの後に何が残るか
「1億円ひとりじめキャンペーン」で話題を作り初動を稼ぐ戦略は巧みです。
しかしキャンペーン終了後の3〜6ヶ月が本当の勝負になります。発表会のビジョンと実際の体験のギャップが大きい今、そのギャップをユーザーの創造性が埋められるかどうかが分岐点でしょう。
個人的な予測としては、Clubhouseの再現になる確率が高いと見ています。
ただしニコニコ動画も「こんなの流行るの?」と思われながら長年生き続けました。川上・ひろゆきコンビの読みが正しいことを、半ば期待しながら見守りたいと思います。
現時点ではまだ荒削りな部分も多いですが、アップデートを重ねることで体験が磨かれていく可能性は十分あります。リリース直後のアプリにできることは限られていますから、これからの進化に期待したいところです。ぜひ頑張ってほしいと思います。
よくある質問
- QPOPOPOとはどんなアプリですか?
- A
2026年3月18日にリリースされたスマホアプリです。カメラなしでアバター(ホロスーツ)を使って音声・映像通話ができる「カメラのいらないテレビ電話」を謳っています。
庵野秀明氏・ひろゆき氏・川上量生氏・GACKT氏が取締役を務めることでも話題になりました。
- QPOPOPOのアバター(ホロスーツ)とは何ですか?
- A
自分の顔を映さずに会話できる3Dアバター機能です。口や首の動きに連動して動きますが、現時点では表情変化は限定的です。エヴァンゲリオンや東方Projectなどのキャラクターとのコラボアバターも提供されています。
- QPOPOPOはClubhouseと何が違いますか?
- A
Clubhouseが「音声のみ」だったのに対し、POPOPOはアバターによる映像演出が加わっています。ただし実際の体験では「流し聴き」になりやすく、音声SNSとしての本質的な課題はClubhouseと共通しています。
- Q「1億円ひとりじめキャンペーン」とは何ですか?
- A
POPOPOのリリースに合わせて実施されたプロモーションキャンペーンです。条件を満たしたユーザーに1億円が当たる企画で、初動のユーザー獲得・話題作りに活用されています。
- QPOPOPOのアバターは無料で使えますか?
- A
標準アバターは無料で使えますが、コラボキャラクター(エヴァンゲリオン・東方Projectなど)や見た目のカスタマイズには課金が必要です。無料のままでは使えるアバターが限られるため、本格的に楽しむには課金を検討することになります。
- QPOPOPOは今後流行ると思いますか?
- A
リリース初日時点では、Clubhouseの再現になる可能性が高いと見ています。ただしニコニコ動画のように、一般層への普及よりコアユーザーの濃いコミュニティとして生き残る道もあります。キャンペーン終了後3〜6ヶ月が真の分岐点になるでしょう。
まとめ
- POPOPOは「アバターで話せるClubhouse」という体験で、映像演出のインパクトは現時点では限定的
- 標準アバターは無料だが、カスタマイズや人気コラボアバターへの変更には課金が必要
- コンテンツの質問題・大手による機能吸収リスクなど、Clubhouseと同じ構造的課題を抱えている
- コロナ禍にリリースしていたら流行した可能性が高く、タイミングが3年遅かったかもしれない
- ニコニコ動画型の「濃いコミュニティ文化」として生き残る道は残っている
- 1億円キャンペーン終了後の3〜6ヶ月が本当の勝負どころ
※本記事はリリース初日の体験に基づく個人的考察です(2026年3月19日執筆)。


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