「Antigravity」を使っていると必ず出くわす選択肢、「Gemini 3 Pro (High)」と「Gemini 3 Pro (Low)」。
一見すると「画質の高・低」みたいな設定に見えますが、実はこれ、AIの「考え方」の違いなんです。

この記事では、開発者の皆さんが疑問に思う以下のポイントを解説します。
- HighとLowの本当の違い(スペックだけじゃない!)
- どっちを使えばいいの?(迷ったらこっち推奨)
- 実は知らないと損する「隠れたコスト」の話
結論:Highは「熟考型」、Lowは「即効型」
先に結論を言ってしまうと、この2つは「System 2思考(じっくり考える)」か「System 1思考(直感で動く)」かの違いです。
| 機能 | Gemini 3 Pro (Low) | Gemini 3 Pro (High) |
|---|---|---|
| 役割 | バリバリ動くエンジニア | 慎重なアーキテクト |
| 速度 | 超高速(サクサク) | 遅い(じっくり考える) |
| 得意 | 実装、修正、リファクタリング | 設計、難解なバグ調査、計画 |
| コスト | 安い(燃費が良い) | 高い(燃費が悪い) |
| 推奨 | 基本はこれ! (90%) | ここぞという時だけ (10%) |
1. Gemini 3 Pro (Low):爆速で動く「頼れる相棒」
「Low」と聞いて「低性能」だと思っていませんか? それは大きな間違いです。
実は、日々の開発作業の9割は、このLowモデルで十分、いやLowの方が優秀なんです。
メリット
- とにかく速い: コードを書いていて「待ち時間」を感じさせません。サクサク補完し、修正してくれます。
- 素直で従順: 「ここを直して」と言えば、余計なことを考えずに直してくれます。
- コスパ最強: クォータ(使用制限)をあまり消費しないので、一日中ガッツリ使えます。
デメリット
- 深い考察は苦手: 複雑なアーキテクチャの矛盾を見抜いたり、未知のバグを一発で特定するのは苦手かもしれません。
おすすめシーン:
- 「この関数を修正して」
- 「Reactコンポーネントを作って」
- 「テストコードを書いて」
- 「リファクタリングして」
2. Gemini 3 Pro (High):熟考する「天才肌」
Highモデルは、回答を出す前に「思考トークン(Thinking Tokens)」を大量に使って、脳内でシミュレーションを行います。
「本当にこれでいいのか?」「副作用はないか?」と自問自答してから答えを出すため、非常に慎重です。
メリット
- 全体が見えている: プロジェクト全体を深く理解し、ファイル間の整合性をチェックしてくれます。
- 難問に強い: 原因不明のバグや、ゼロからの複雑な設計など、人間でも頭を抱えるようなタスクで真価を発揮します。
- 自己修正: 答えを出す前に自分で間違いに気づいて修正する能力があります。
デメリット
- 遅い: 最初の1文字が出るまで数十秒待たされることも。「沈黙」が長いです。
- 考えすぎる(Overthinking): 単純な修正をお願いしたのに、「設計原則に反する」とか言って勝手に大掛かりな修正を提案してくることがあります。
- 燃費が悪い: 裏で大量に思考するため、あっという間に利用制限(クォータ)に達します。「週に20分しか使えない」なんてことも…。
おすすめシーン:
- 「50ページの要件定義書からDB設計をして」
- 「再現性の低い謎のバグを調査して」
- 「マイクロサービス全体のアーキテクチャを見直して」
3. 明暗を分ける「隠れたコスト」
Antigravityユーザーが一番気をつけるべきなのが、この「コスト(クォータ消費)」です。
Highモデルは、私たちが目に見える回答以外に、裏で数千の「思考トークン」を消費しています。これがカウントされるため、Highへの1回の質問は、Lowへの質問の10〜50回分に相当することがあります。
安易に「とりあえずHighで」と使っていると、いざという時に「クォータ制限」で動かなくなり、開発がストップしてしまいます(いわゆる「文鎮化」)。
戦略:普段はLow、困った時だけHigh
賢い使い方は、「デフォルトはLow(またはFlash)」に設定しておくことです。
- 基本は Gemini 3 Pro (Low) で開発を進める。
- Lowで2回やっても解決しないバグや、複雑な初期設計の時だけ Gemini 3 Pro (High) に切り替える。
- UIの微調整など、見た目の話は Nano Banana (画像モデル) に任せる(Highを使うのは無駄!)。
番外編:記事作成・リサーチはどっち?
ブログ記事を書くときの使い分けも、実は明確です。
- リサーチ・構成案 (High): 「深く考える」のが得意。Deep Researchで信頼性の高い情報を集め、論理的な構成を作るのに向いています。
- 執筆 (Low): 「サクサク書く」のが得意。Highは考えすぎて筆が遅かったり、回りくどくなりがち。Lowの方が素直で読みやすい文章を、圧倒的スピードで書いてくれます。
「High監督(構成)」と「Low選手(執筆)」の連携プレーが、品質とコストのバランスにおいて最強です。
「High」は高性能ですが、万能ではありません。適材適所で使い分けて、快適なAntigravityライフを送りましょう!


コメント